相続発生後のサポート

財産調査

「故人の遺産がいくらあるのか分からない」
「結局、相続できるのはいくらなの?」

相続が発生したものの、亡くなった被相続人の財産がどれだけあるのか分からないといった場合は、相続財産の調査から始めます。
相続財産を把握しないことには、遺産分割協議や相続税の申告も困難になります。

弁護士に依頼するメリット

まず相続財産の調査といっても、どこから調べていいか分からないという方は、弁護士に依頼することでスムーズな調査ができます。証券会社への照会などは、弁護士で代行することもできます。
当事務所では、財産調査に関して代行で行うほか、アドバイスのみを行うことも可能です。

遺産分割

「誰がどう遺産を相続するのか分からない」
「遺産を分けるのに揉めたくない」

複数いる相続人が遺産を分割することを、「遺産分割」といいます。通常であれば法律上の定められた割合で分割されますが、遺言書によって分割内容が変わったり、既に贈与を受けている相続人がいたりすると変更するケースがあります。

弁護士に依頼するメリット

相続人が複数人いて、誰がどのくらい相続するのかを決めるのは、デリケートな内容ゆえにトラブルが起こりやすくなります。相続人同士での話がまとまらないようであれば、弁護士に相談することで深刻化を防ぎ、円満な解決へ近づきます。

遺産分割についてのケーススタディ

【Q】先日、母が亡くなって相続人同士で遺産分割の話し合いをしていたところ、そのうちの一人が弁護士を立ててきました。こちらも弁護士にお願いするべきでしょうか?

【A】弁護士に依頼した方がよいかどうかは、相続人それぞれの事情や感情によるところが大きいので、一概にお答えできるものではありません。
ただ、相手は弁護士を通じていろいろと要求を出してくるでしょうから、一方的に難しいことを言われて不安を感じることが多いかもしれません。
まずは弁護士事務所で法律相談を受けてみて、依頼されるか判断されてはどうでしょうか。

【Q】現在、遺産分割で協議中なのですが、ほかの相続人から、私が被相続人から生前に贈与を受けており、それが「特別受益」なのではないかと指摘を受けました。どう対応したらよいでしょうか?

【A】まずは、指摘を受けている生前の贈与があったのか、なかったのかが大切な問題となります。また、贈与があったとしても、それが「特別受益」にあたるかどうかの正しい判断も必要です。
特別受益に関しては、複雑な条件が絡む内容になるので、ご判断が難しい場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。

【Q】遺言の内容とは違う遺産分割はできるのでしょうか?

【A】一般的に遺言書の効力が優先されるので、その内容に従うのが基本です。
しかし、相続人全員が合意した場合には、遺言の内容とは異なる遺産分割協議も有効になります。
また、遺言書の形式に不備があったり、遺言の内容に矛盾があったりして、法律上の要件を満たさない場合には、無効になることもあります。

相続放棄

「亡くなった親が多額の借金をしていた」
「相続した不動産のローン返済が厳しい」

相続はプラスの遺産と同時に、借金や債務といったマイナスの遺産も自動的に引き継がれます。「相続放棄」とは、プラスの遺産よりもマイナスの遺産が大きいときなどに、遺産を相続する権利を放棄するものです。

相続放棄の注意点

  • 相続放棄をする場合は、家庭裁判所で所定の手続きが必要です。
  • 相続があったことを知った時から3カ月以内に相続放棄の手続きをしないと、認められません。
  • 相続放棄の手続きをする前に、少しでも遺産に手をつけたら相続したとみなされるおそれもあります。

限定承認について

相続人が亡くなった被相続人から相続した借金や債務を、同時に相続した遺産の範囲内で支払うことを「限定承認」といいます。
相続放棄をすることで手放したくない遺産がある場合などに用いられる制度です。

弁護士に依頼するメリット

相続放棄は相続があったことを知った時から3カ月以内に手続きを行わないといけないので、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。

相続放棄の手続き流れ

① 必要な書類を収集します。
 (1)被相続人(亡くなった方)の住民票除票、または戸籍附票
 (2)申述人(相続放棄する人)全員の戸籍謄本
 (3)被相続人の死亡記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)

②相続放棄申述書を提出します。
裁判所で決まっている書式があります。①の必要な書類と共に家庭裁判所に提出します。

③相続放棄照会書が届きます。
相続放棄を本人の意思でおこなったかどうかの確認のため、家庭裁判所から郵送されます。

④相続放棄申述受理通知書が届きます。
相続放棄が受理されたことになります。

相続放棄についてのケーススタディ

【Q】もし相続放棄の期限が切れてしまったら、相続放棄はできないのですか?

【A】相続を放棄したい場合、気付いたら期限が切れていたというケースがたまにあります。その場合、家庭裁判所に却下される可能性は高くなりますが、相続放棄の申請自体はすることができます。諦めずに一度ご相談ください。

【Q】相続放棄をして借金がなくなることは、自己破産するのと同じことですか?

【A】相続放棄と自己破産は全くの別物です。相続放棄とは、亡くなられた方のマイナスの財産(借金)を受け取らないことです。
一方、自己破産とは、自分自身の借金の整理になります。どちらも借金の返済義務がなくなるとはいえ、法律上は全く別の手続きとなります。

【Q】相続放棄をすると、カード類をつくることが難しくなりますか?

【A】それはありません。相続放棄をしても、金融業者等に報告する義務はなく、信用情報機関にも、お名前が載ることはないので、問題なくカード類をつくることができます。

遺留分

「妻一人にしか相続させないと遺言書に書いてあった」
「相続される遺産の割合が少な過ぎる」

「遺留分」とは、相続人が最低限相続できる財産の割合を保証するものです。例えば、遺言書に「財産は全額妻に相続させる」と記載されていても、それを実行することで妻以外の相続人の生活が脅かされる可能性があります。そこで一定の範囲の相続人には、最低限度の相続割合が認められているのです。
遺留分の権利を主張したい場合は、「遺留分減殺請求」の手続きをして、遺留分の返還を請求することになります。

遺留分の注意点

遺留分減殺請求は、相続及び対象となる贈与を知ったときから1年以内に手続きを取らないと、請求の権利が消えてしまいます。
また、遺留分侵害があることを知らなくても相続開始から10年が経過すると、請求する権利は失われます。

弁護士に依頼するメリット

まず相談者が遺留分を請求するかどうかを判断するためにも、遺留分の内容調査などについてご相談ください。また、遺留分の請求を行う際には手続きのための遺留分減殺請求書の作成などを代行いたします。

遺留分についてのケーススタディ

【Q】遺留分の侵害があった場合、どうしたらよいですか?

【A】贈与・遺贈などによって利益を受けた者に対して、相続の開始および遺留分侵害行為となる贈与・遺贈があったことを知ったときから1年以内に、遺留分減殺請求の意思表示を行ってください。
遺留分減殺の意思表示は、直接相手方に遺留分減殺請求を行う旨を伝えれば大丈夫で、必ずしも訴訟を起こす必要はありません。しかし、遺留分減殺請求の意思表示を行うには期間が定められているので、いつ遺留分減殺請求を行ったかを明確にすることが大切です。争いになることがあるので、内容証明郵便で通知するのがお勧めです。

【Q】訴訟外で遺留分減殺請求をしたのですが、相手方が応じてくれません。

【A】相手方が遺留分減殺請求に応じない場合は、相手方の住所地または当事者の合意で定める家庭裁判所に対して調停を申し立てることができます。
その調停がまとまらない場合には、相手方を被告として裁判を提起することになります。実務上、調停をしないまま訴訟提起をすることも認められています。

寄与分とは

「親の介護をしたから、遺産を多めにもらいたい」
「親が経営する会社で、給料をもらわずに手伝った」

複数いる相続人のうちのある者が、亡くなった被相続人の介護をしたり、無給に近い給料で事業を手伝うなど、被相続人の財産の維持や増加に協力してきた場合、「寄与分」が認められることがあります。
「寄与分」が認められれば、これまで被相続人に提供してきた労力を金額に換算して、通常の相続分に加算して相続できるようになります。

寄与分の注意点

  • 「親の介護」が「親子間の扶養義務」の範疇かどうか

「親の介護をしてきたから、遺産を多めにもらいたい」という主張の場合、「介護」の内容によっては寄与分に認められないケースが多くあります。
ここで寄与分が認められるのは、介護ヘルパーが必要なくらい要介護の状態でありながら、ヘルパーを依頼せず、代わりに身の回りの世話をしたというレベルの「介護」であり、「親子間の扶養義務」の範疇であれば認められにくくなります。

弁護士に依頼するメリット

「親の面倒をみている人」とそうではない人たちの間では、遺産分割を巡ってトラブルが起こるケースが多くあります。しかし、親の面倒を見る程度によっては寄与分が認められないことも多いので、まずは弁護士に寄与分を主張できるかどうか相談されるといいでしょう。寄与分の該当額の算出も弁護士にお任せください。

寄与分についてのケーススタディ

【Q】父の仕事を手伝っていましたが、労務提供型の寄与分はありますか?

【A】「寄与分」とは、被相続人が営む事業に対して無報酬あるいはほぼこれに近い状態で従事して、相続財産の維持増加に寄与した場合に認められるものです。製造加工業や、農業、漁業、林業など自営業や個人商店などに従事した方からのご相談が多くみられます。
しかし、仮に相談者が、父親の会社に入って従業員として稼働したという場合は、なかなか寄与分は認められにくいでしょう。父親の営む事業に従事したが、小遣い銭程度しか労働の対価を受け取っていないという場合であれば、寄与分が認められる可能性は高くなります。
労務提供には、①家事従事型、②従業員型、③共同経営型 といった形があり、これらの形態から寄与分の算定に考慮されることになります。そこから、無償制、継続制、専従性、被相続人との身分関係、相続財産の維持増加の程度なども検討材料となります。

特別受益とは

「生前に親に家を建ててもらった」
「長男だけが留学させてもらった」

被相続人が亡くなる前に、相続人のうちのある一定の者に対して、学費や不動産、結婚資金、まとまった金額の仕送りなどをしていた場合、それが「特別受益」として認められることがあります。
「特別受益」が認められた相続人は、通常の相続内容から「特別受益」の相当額を差し引いたものを相続することになります。

弁護士に依頼するメリット

特別受益が主張される場合は、相続人の間で争いになりやすい傾向があります。弁護士が間に入ることで、不要な争いを避け、スムーズな解決が得られる可能性があります。

特別受益についてのケーススタディ

【Q】兄は、死亡した父から生前、マイホームの購入のために4,000万円もの贈与を受けています。これは特別受益にあたるのでしょうか?

【A】共同相続人の中に、被相続人から生前に贈与を受け取った者(ここでいう相続人のお兄様のような方)がいる場合は、相続に際して、贈与分を相続財産に加算して相続分を算定します。そして、贈与を受けた者は、相続分から贈与分を差し引いた額を相続することになります。これは「特別受益」に該当するものです。
生前贈与が「特別受益」として認められるのは、「学資」(教育費)や「その他の生計の資本としての贈与」(居住用の不動産の贈与、営業資金の贈与など)、「婚姻または養子縁組のための贈与」です。
本件の場合も、お兄様がお父様から受けたマイホーム購入のための贈与は、特別受益となります。